第5章

三日後、私は林田についてNHKのテレビ局へとやって来た。

収録スタジオは照明で明るく照らされ、林田はカメラに向かい、厳粛で揺るぎない表情を浮かべている。背景の大型スクリーンには、犯罪組織の構造図と決定的な証拠が映し出されていた。

私はスタジオの隅に立ち、複雑な心境でその全てを見つめていた。

「林田賢です。実名で、山本石及びその犯罪組織を告発します」

林田はカメラに向かって、はっきりと力強い声で言った。

司会者が恐る恐る尋ねる。

「林田弁護士、偽証罪に問われる法的リスクを負う覚悟は、本当におありなのでしょうか」

「弁護士としての職業的栄誉に懸けて、全ての証拠が真実かつ有...

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